児童発達支援・放課後等デイサービスで育む感情を理解する力|他者の気持ちに気づく支援

はじめに:どうして相手の気持ちが分からないの?

「お友達が泣いていても気づかない」「相手が嫌がっていることに気づけない」「自分の気持ちも相手の気持ちも分からない」そんなお子さまの感情理解に関する様子に、人間関係やコミュニケーションへの心配を感じていらっしゃる保護者さま、多いのではないでしょうか。でも、こうした「気持ちが分からない」には、さまざまな背景がある場合があります。たとえば、表情から感情を読み取ることが苦手だったり、自分自身の気持ちにも気づけていなかったり、なぜその人がそう感じるのか想像することが難しかったりなど、一人ひとり感じ方や得意・苦手が異なります。児童発達支援・放課後等デイサービスでは、そうしたお子さまの特性に合わせて、まず自分の気持ちに気づき、そして相手の気持ちにも目を向けられるよう、焦らず丁寧にサポートしています。

1. 感情理解とは:自分と相手の気持ちに気づく

感情理解が難しい理由の例

感情理解には、まず自分の気持ちに気づき、それを理解する力が必要です。さらに、相手の表情や言葉、状況から相手の気持ちを推測する力も求められます。発達特性のあるお子さまの中には、自分が今どんな気持ちなのか自覚できないことがあります。また、表情の微妙な違い(少し笑っている、困っている顔など)を見分けることが苦手な場合もあります。言葉の裏にある本当の気持ち(「大丈夫」と言っているけど本当は困っているなど)を理解することも難しいです。相手の立場に立って考える「視点取得」が未発達なこともありますね。

感情理解が育つことで期待できる効果

感情理解が育つと、自分の気持ちを適切に表現できるようになり、癇癪やパニックが減る施設が多いです。相手の気持ちに気づけることで、思いやりのある行動ができるようになります。友達が困っている時に助けたり、嬉しい時に一緒に喜んだりできるようになることもあります。相手の気持ちを考えた言動ができることで、人間関係が良好になり、友達が増えます。自分と相手の気持ちを理解できることで、トラブルが減り、穏やかに過ごせるようになりますよ。

2. 自分の気持ちを知る:感情に気づく力を育てる

自分の感情に気づけない理由の例

多くのお子さまは、自分が「怒っている」「悲しい」「不安」などの感情を自覚することが難しいです。また、感情を表す言葉の種類が少なく、「楽しい」「嫌」くらいしか表現できないこともあります。体の変化(心臓がドキドキする、お腹が痛いなど)と感情が結びついていないため、感情に気づく前に行動してしまうこともあります。感情を感じることを「悪いこと」と思い込み、押し殺してしまうこともありますね。

自分の気持ちに気づく支援の工夫

感情カード(嬉しい顔、怒った顔、悲しい顔など)を使い、「今どんな気持ち?」と選んでもらう活動をしている施設があります。気持ちを5段階(とても嬉しい→嬉しい→普通→少し悲しい→とても悲しい)で表す「気持ちの温度計」を使うことも効果的です。絵本や動画を見ながら、「この子はどんな気持ちかな?」と一緒に考え、感情を認識する練習をしている施設も。日常の中で、「今、楽しそうだね」「困っているみたいだね」と、職員がお子さまの気持ちを言葉にして伝えることで、感情の認識を助けています。体の変化と感情を結びつけるために、「お腹がギュッとなるのは不安な気持ちだよ」と教えることもあります。気持ち日記をつけて、その日の気持ちを振り返る時間を作っている施設もありますよ。

3. 相手の気持ちを理解する:共感性を育てる

相手の気持ちが理解できない理由の例

相手の表情を見ても、それがどんな気持ちを表しているのか分からないお子さまが多いです。また、状況から相手の気持ちを推測することが難しく、「転んだから痛いはず」という想像ができないこともあります。自分と相手は違う気持ちを持つことがあるという理解がなく、「自分が嬉しいから相手も嬉しいはず」と思ってしまうこともあります。相手の立場に立って考えることが苦手で、「もし自分だったら」と想像できないこともありますね。

共感性を育てる支援の工夫

表情カードを使い、「この顔は何の気持ち?」と当てるゲームをすることで、表情と感情を結びつける練習をしている施設があります。絵本や紙芝居を読みながら、「この子はどうして泣いているのかな?」と一緒に考えることも効果的です。ロールプレイ(劇遊び)を通じて、相手の立場を体験し、「こういう時はこんな気持ちになるんだ」と理解する機会を作っている施設も。実際の場面で、「〇〇ちゃんが泣いているよ。どうしたのかな?」と一緒に考え、「じゃあ、どうしたらいいかな?」と行動を促すこともあります。お子さまが相手の気持ちに気づいて優しい行動ができた時に、「〇〇くんが助けてくれて、△△ちゃん嬉しそうだね」と具体的にフィードバックすることもあります。「ありがとう」と言われる体験を積み重ねることで、「相手を思いやると自分も嬉しい」と感じられるようにしていますよ。

4. 家庭との連携で大切にしていること

施設での感情理解の取り組みをご家庭でも継続できるよう、多くの施設では以下のような連携を心がけています。

  • 施設で使っている感情カードや気持ちの温度計を家庭でも同じように使えるよう共有する
  • お子さまが相手の気持ちに気づけた場面や、優しい行動ができた瞬間を具体的に伝える
  • 感情理解が育ってきた成長を一緒に確認し、お子さまの自信を育てる

もちろん、施設によって具体的な方法は異なりますので、詳しくは通っている施設にご相談くださいね。

保護者さまへ

お子さまが相手の気持ちに気づけない、心配ですよね。でも焦らなくて大丈夫です。まずは自分の気持ちに気づくことから。「今、どんな気持ち?」と優しく聞いてあげてください。相手の気持ちは、経験の中で少しずつ分かるようになります。私たちも全力でサポートします。

お子さまに合った施設を探してみませんか?

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