はじめに:どうして体をうまく動かすことが難しいの?
「縄跳びで手と足のタイミングが合わない」「ボールを投げながら走ることができない」――そんなお子さまの動きに関する様子に、運動技能の習得や日常生活動作への影響について心配を感じていらっしゃる保護者さまも多いのではないでしょうか。
でも、こうした「動きがぎこちない」には、さまざまな背景がある場合があります。たとえば、両手や両足を同時に動かす協調性が未発達だったり、左右の体を連携させることが困難だったり、複数の動作を組み合わせて行うことが苦手だったりなど、一人ひとり感じ方や得意・苦手が異なります。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、そうしたお子さまの協調運動の発達に合わせて、遊びを通じて楽しく体の各部位を連携させる力を育て、滑らかで効率的な動きを身につけていけるようサポートしています。これらは、将来のスポーツ参加と器用な日常動作につながる大切な土台になります。
1.両手の協調性向上:左右の手を連携させる動きを身につける
両手協調が困難な理由の例
- 左右の手で異なる動きをすることが混乱を招く
- 利き手ではない手の動きをコントロールすることが苦手
- 両手を同時に使う動作の順序やタイミングが理解できない
支援の工夫
- 太鼓を両手で叩く活動から始め、同じ動きでの両手協調から練習する
- 粘土をこねたり、新聞紙を破いたりして、両手で力を合わせる動作を経験する
- ピアノの鍵盤を使って左右別々の指の動きを練習し、独立した手指協調を育てる
- 縄を両手で回す動作や、ボール投げの準備動作で左右の手の連携を練習する
- 拍手しながら歌を歌うことで、リズムに合わせた両手の協調動作を身につける
- 最初はゆっくりとした動作から始め、徐々にスピードを上げて滑らかな協調性を育てる
2.両足・全身の協調性育成:下肢と全身の連動した動きを育てる
全身協調が難しい理由の例
- 上半身と下半身を連動させて動かすことができない
- 歩行時の腕の振りと足の動きのタイミングが合わない
- 動的なバランスを保ちながら協調動作を行うことが困難
支援の工夫
- マーチングや行進で腕の振りと足踏みの協調を、音楽に合わせて楽しく練習する
- ケンケンパやスキップなど、片足と両足を交互に使う動作で下肢協調を向上させる
- クロスクロールという対側性の動き(右手と左足、左手と右足)を意識した体操を取り入れる
- トランポリンで跳びながら手拍子をしたり、ポーズを取ったりして全身協調を促進する
- 障害物を避けながら歩く、走るなどで環境に応じた全身協調能力を育てる
- ダンスや体操で音楽に合わせた全身の協調運動を楽しく実践する
3.複合動作の習得:複数の動きを組み合わせた協調運動
複合動作が困難な理由の例
- 一度に複数のことを考えながら動くことができない
- 動作の優先順位をつけることが難しい
- 失敗への不安から複雑な動作に挑戦したがらない
支援の工夫
- ボールを受け取りながら走る、歌を歌いながら手遊びをするなど段階的に複合動作を練習する
- 縄跳びは最初に縄を回す→跳ぶ→両方同時にと分解して指導し、最終的に統合する
- キャッチボールでは投げる・受け取る・移動するを組み合わせて協調性を高める
- 楽器演奏で手・足・口を同時に使う活動を通じて、複数の協調運動を身につける
- スポーツ的な活動(サッカーのドリブル、バスケットボールのシュートなど)で実践的な協調運動を経験する
- できた部分を具体的にほめ、「手と足が上手に動いていたね」と成功体験を積み重ねる
4.ご家庭でも取り組みやすい工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、施設での支援がご家庭でも無理なく続けられるよう、保護者の方との連携を大切にしています。
- 両手・両足の協調性を高める遊びや日常でできる協調運動を、ご家庭でも実践できるように具体的に共有
- お子さまの協調運動の発達段階や効果的だった協調性向上の活動について、職員から具体的にアドバイス
- 今日取り組んだ協調運動や動きの変化、次に挑戦したい協調動作などを一緒に確認しながら、継続的な協調運動の改善を支援していく
保護者さまへ
協調運動の改善は、焦らず、一歩ずつ身につけていくものです。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、小さな「できた!」の積み重ねを大切にしながら、保護者の皆さまと協力して、お子さまの滑らかな動きと運動への自信を育てていきます。