はじめに:どうして姿勢を保つことが難しいの?
「椅子に座っていてもすぐに姿勢が崩れてしまう」「机に向かって勉強していても、すぐに疲れてしまう」そんなお子さまの姿勢に関する様子に、学習や日常生活への影響を心配していらっしゃる保護者さま、多いのではないでしょうか。でも、こうした「姿勢が保てない」には、さまざまな背景がある場合があります。たとえば、体の中心部分である体幹の筋力が十分に育っていなかったり、正しい姿勢がどういうものか感覚的にわかりにくかったり、姿勢を保つことに意識を向けることが難しかったりなど、一人ひとり感じ方や得意・苦手が異なります。児童発達支援・放課後等デイサービスでは、そうしたお子さまの特性に合わせて、楽しく遊びながら体幹を強化し、無理なく良い姿勢を身につけていけるようサポートしています。
1. 体幹の役割と重要性:なぜ体幹を鍛える必要があるの?
体幹が弱いことで起こる困りごとの例
体幹とは、お腹や背中、腰まわりの筋肉のことで、体を支える土台となる部分です。体幹が弱いと、座っている時に背中が丸まったり、横に傾いたりして良い姿勢を保てません。立っている時もふらついたり、疲れやすくなったりします。また、書字や食事の時に姿勢が安定せず、細かい作業がしにくくなることもあります。運動面でも、走る・跳ぶなどの動作でバランスを崩しやすくなりますね。
体幹トレーニングで期待できる効果
体幹が強くなると、座位や立位での姿勢が安定し、長時間の学習や活動が楽になる施設が多いです。鉛筆を持つ、はさみを使うなど細かい作業をする時も、体が安定することで手先に集中できるようになります。運動能力も向上し、転びにくくなったり、体の使い方が上手になったりすることもあります。姿勢が良くなることで呼吸が深くなり、疲れにくくなる効果も期待できます。集中力が続くようになり、学習面での効果を感じる保護者さまもいらっしゃいますよ。
2. 楽しく続ける体幹トレーニング:遊びの中で自然に強化
体幹トレーニングが続きにくい理由の例
「トレーニング」という言葉を聞くと、お子さまは堅苦しく感じて興味を持ちにくいことがあります。また、効果がすぐには見えにくいため、モチベーションを保つことが難しい場合もあります。単調な運動の繰り返しは飽きやすく、継続することが困難です。筋力が弱いお子さまにとっては、最初は辛く感じることもありますね。
楽しみながらできる活動の工夫
バランスボールに座って弾んだり、揺れたりする活動は、楽しみながら体幹を鍛えられる施設があります。トランポリンでジャンプすることで、体の中心を意識しながらバランスをとる練習になることも。マット運動で前転や後転、ブリッジなどに挑戦することで、自然と体幹が鍛えられます。四つ這いで動物の真似をする「動物歩き」(クマ歩き、ワニ歩き、ペンギン歩きなど)は、お子さまが喜んで取り組める活動です。平均台やバランスストーンの上を歩く活動も、ゲーム感覚で楽しみながら体幹とバランス感覚を育てることができます。
3. 日常生活での姿勢改善:トレーニングを生活に活かす
日常での姿勢保持が難しい理由の例
正しい姿勢がどういうものか、お子さま自身が理解できていないことがあります。また、体幹が弱いため、正しい姿勢を意識しても長時間保つことができません。姿勢に注意を向け続けることが難しく、気がつくと崩れてしまうこともあります。椅子や机の高さが合っていないなど、環境的な要因で姿勢が保ちにくい場合もありますね。
生活場面での支援の工夫
椅子に座る時の正しい姿勢を鏡で確認し、「足が床につく」「背中がまっすぐ」などポイントを視覚的に示している施設があります。お子さまの体に合った椅子や机を選び、足がしっかり床につく高さに調整することも大切です。バランスディスクやクッションを椅子の上に置いて座ることで、無意識に体幹を使う環境を作ることもあります。食事や学習の時間に「背中ピン」など合言葉を決めて、楽しく姿勢を意識できるようにしている施設も。姿勢が良い状態を写真に撮って、「このポーズ」と視覚的に示すことで、お子さまが自分で確認できるようにする工夫もしています。
4. 家庭との連携で大切にしていること
施設での体幹トレーニングの効果をご家庭でも感じていただけるよう、多くの施設では以下のような連携を心がけています。
- お子さまが楽しんでいる体幹トレーニングの内容を具体的に伝え、自宅でも簡単にできる方法を提案
- 椅子や机の高さ調整、姿勢を保ちやすい環境づくりについてアドバイス
- お子さまの姿勢や体幹の変化について、気づいたことを一緒に共有
もちろん、施設によって具体的な方法は異なりますので、詳しくは通っている施設にご相談くださいね。
保護者さまへ
お子さまの姿勢が気になって、つい「背中伸ばして!」「ちゃんと座って!」と声をかけてしまうこと、ありますよね。でも、焦らなくて大丈夫です。体幹の強化は一朝一夕にはいかないもので、楽しく遊びながらコツコツ続けることが何より大切なんです。お子さまが「できた!」と喜べる小さな成功体験を積み重ねていくことで、自然と体が強くなっていきます。おうちでも、親子で一緒にバランス遊びをしたり、「だるまさんが転んだ」のような体を使った遊びを楽しんだりすることで、無理なく体幹を鍛えられますよ。私たちスタッフも、お子さまが楽しみながら体の土台を作れるよう、全力でサポートしていきますから、長い目で見守ってあげてくださいね。