はじめに:運動の苦手さには理由があります
「走るとすぐに転んでしまう」「ボールをうまく投げられない」――そんな姿を見て、運動が苦手かもしれないと感じる保護者さまも多いと思います。
実は、うまくできないのには理由があります。体の動かし方をイメージするのが難しかったり、バランス感覚や協調性が育っていなかったり、筋力や持久力がまだ十分でないこともあります。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、一人ひとりに合わせてからだ全体を使った運動を取り入れ、無理なく基本的な動きを身につけられるように支援を行っています。
1. 基本動作の習得:走る・跳ぶ・投げる
基本動作が困難な理由の例
- 体の動かし方をイメージしにくい
- 筋力や持久力が不足している
- 動作の順序やタイミングを覚えるのが苦手
療育施設での支援の工夫
- 動作を分けて練習:「腕を振る」「足を上げる」といった動きを一つずつ確認
- 段階的な練習:「線をまたぐ」→「低い段差」→「両足ジャンプ」など小さな成功を積み重ねる
- 感覚を組み合わせる:鏡で姿を見たり、リズムや掛け声に合わせたりして理解を助ける
- 短時間から始める:集中できる時間に合わせ、徐々に回数や距離を増やす
リズムを活用:「1・2・3」の掛け声や音楽に合わせて自然に動きを覚える
2. バランス・協調性の向上
バランス・協調性が育ちにくい理由
- 重心や姿勢を保つ感覚が未発達
- 両手両足を同時に動かすのが難しい
- 空間の中で自分の体の位置を把握しにくい
療育施設での支援の工夫
- 姿勢を保つ練習:平均台やテープの上を歩いて、重心を意識する
- バランス遊び:片足立ちやケンケンで、ふらついても立て直す経験を重ねる
- 全身を使う運動:「四つんばいで歩く(クマ歩き)」「お腹を床につけて進む(ワニ歩き)」など遊び感覚で練習
- 体幹を育てる:トランポリンやバランスボールで体の軸を安定させる
- 空間を意識する遊び:障害物をまたぐ・くぐるなどの動きで空間認知を育てる
- シンプルな声かけ:「右足を出して」「両手で押して」など、分かりやすい言葉で伝える
3. 楽しい運動体験:意欲と自信を育てる
運動への参加が難しい理由
- 失敗体験から運動に苦手意識を持っている
- 競争や比較を避けたい
- 集団活動に不安を感じる
療育施設での支援の工夫
- 楽しいきっかけを作る:好きなキャラクターや音楽を取り入れる
- 遊びながら体を動かす:「動物まねっこ」「忍者修行」など遊び感覚で参加
- 自分の成長を実感できる声かけ:「昨日より長く跳べたね」など自分との比較で達成感を得る
- 小さな成功体験を積み重ねる:「できた!」を繰り返すことで自信を育む
- 個別と集団のバランス:安心できる個別練習と、協調性を育てる集団活動を組み合わせる
- 具体的に褒める:「今日は〇〇ができたね」と成果を明確に伝える
4. ご家庭でもできる工夫
施設で行っている運動遊びは、ご家庭でも少し工夫するだけで取り入れることができます。毎日の生活の中で自然に続けていくことで、お子さまの「からだの力」は少しずつ育っていきます。
- 手軽にできる遊び タオルを使った引っ張りっこ、クッションを並べて渡る、新聞紙を丸めてキャッチボール、床にテープで線を引いて平均台ごっこ――お家にあるもので気軽に取り入れられます。
- 安全に楽しむ工夫遊ぶ前にまわりを片づけ、床に物がないか確認しましょう。マットやクッションを敷いておくと、万が一転んでも安心です。
- 生活の中での運動買い物袋を少し持ってもらう、布団の上げ下ろしを一緒にやる――そんな日常の動きも、体幹や筋力を育てる大切な機会になります。
- 「できた!」を一緒に喜ぶ「昨日より遠くに投げられたね」「さっきより長く渡れたね」と声をかけてあげると、お子さまの自信につながります。きょうだいと一緒にゲーム感覚で楽しむのもおすすめです。
保護者さまへ
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、からだ全体を使った運動を通して、基本的な動きや体の力を育む支援を行っています。
「遊びながら学ぶ」「できた!を積み重ねる」経験が、自信につながり、集団活動や学校生活でも大きな力になります。